対象パーツに関する注意事項
- 施工可能なパーツは金属パーツ(スチール、アルミニウム、ステンレス、チタン)にのみ対応しており、マグネシウムパーツの取扱いはできません。また、施工による焼付温度(最大200度程度)に耐えられるものに限られます。樹脂(プラスチック、ゴム、FRP、カーボンなど)には対応しておりませんので、そのような部品の施工は行うことができません。またクロームメッキパーツに対しては施工可能ですが、クロームメッキを剥離することはできません。なお、薄いメッキや腐食したメッキについては、剥がれや浮きが発生する可能性があり、仕上がりに影響を及ぼすことがあります。
- パーツは、納入時には全て分解された状態でお送りください。装着されているベアリング・ブッシュ・カラー類の部品も、すべて取り外してください。パーツに樹脂等が付いている場合、塗装焼き付け時に溶け破損する可能性があります。また、高温に耐えられない樹脂等の部品が装着してある場合は、必ず分解してください。
- パーツに貼布されたステッカー、ラベル等は必ず剥がして送付していただきますようお願いいたします。当社での剥がし作業は可能ですが、その費用はお客様のご負担とさせていただきます。貼布物は破損する可能性が高く、再利用や返却はできませんのでご了承ください。ただし、マフラーやその他の部品に取り付けられた認証プレートやエンブレムについては、マスキングによる対応が可能な場合があります。必要な場合は、申し込みの際に別途ご要望をお伝えください。
- 対象部品については、お客様による十分な洗浄を行ってから納入していただくこととします。納入時に油分やグリスなどの汚れが相当な場合は、別途洗浄料金が発生する場合があります。当社で洗浄を行った場合でも、完全な油分やグリスの除去ができない場合があります(特にシリコンコーキングなど)。除去できない異物が仕上がりに影響を及ぼす可能性があることをご了承ください。
- 対象部品については、油性マジックなどの染料での書き込みを行わないでください。染料は塗装剥離やサンドブラストによっても完全に除去できない場合があり、塗装焼付時に染み出して仕上がりに影響を及ぼす可能性があります。書き込みやマーキングが必要な場合はポスカなどの顔料のマーカーを使用してください。
注文に関する注意事項
- マスキングが必要な箇所については、ご注文時に明確な指示をお願いいたします。通常、パーツのネジ部は全てマスキングされますが、マスキングを希望しないネジ部分などがある場合は、別途指定してください。ただし、複雑すぎるマスキングや物理的に不可能な指示は、施工上の制約からご希望に添えない場合があります。また、ロゴ入れや塗分け等の特殊なマスキングについては、承っておりません。
- 粉体塗装(パウダーコート)は粉末状の塗料であり、色調の調整はできません。ご希望の色を選ぶ際には、当社の提供する色見本を参考にしてください。物体の素材や大きさによる物体温度の上昇カーブの違いや部品の形状、表面の状態によって、色や艶、模様の仕上がりに差が生じる可能性があります。パソコンやスマートフォンのモニター上で表示される色と実際の色調は、異なって見えることがあります。
- 施工注文書には、必ず対象部品の点数をご記入いただくことが必要です。点数の未記入の場合、対象部品の返却に関する紛失や問題の対応を行うことができませんので、ご了承ください。
- 受注完了後、施工に着工した場合、対象部品を受注前の状態に復帰させることはいかなる場合でもできません。対象部品の塗装や加工が行われた後は、元の状態に戻すことができないため、ご了承ください。
- 施工着手後は、原則としてカラーや仕様の変更に対応することはできません。一度施工が始まると、既定のカラーや仕様での作業が進行されるため、変更は困難となります。ただし、施工着手後にカラーや仕様の変更が必要な場合で、当社が変更を認める場合は、追加料金が発生することをご了承ください。
- 対象部品の発送時には、梱包材や緩衝材を使用し、対象部品が破損しないように注意してください。部品が破損しないように固定された状態で、ダンボール箱などに梱包して発送してください。また、箱の中でパーツが動かないように適切な緩衝材を使用して固定してください。
お客様と当社間のパーツの運送手数料は、お客様負担となります。(一部のサービスを除く)
施工に関する注意事項
- 対象部品に打痕やキズ、錆などの腐食がある場合、それらは仕上がりに影響を与える可能性があります。特に、錆や腐食が相当激しくなってい個所では、サンドブラストなどの施工時に穴あきが発生する可能性があります。これにより、部品の機能や強度に影響が出るだけでなく、仕上がりの外観にも問題が生じる可能性があります。
- サンドブラスト施工後、当店ではパーツを徹底的に洗浄いたしますが、パーツの形状や複雑さにより、メディア(砂)の微量の残留が発生する可能性があります。パーツを組み付ける前に、必ずメディアの残留がないかを確認し、必要に応じて追加の洗浄を行ってください。メディアの残留が原因で生じた修復や損傷に関する請求は受け付けることができません。そのため、メディアの除去と洗 浄には十分な注意を払ってください。
- 細心の注意を払って作業を行い、できるだけクリーンな環境で塗装作業を進めていますが、塗装の際には微量のゴミや他の塗料が混入する可能性があります。
- 塗装の仕上がりには最大限の品質を求めて施工しており、塗装設備や技術に関しても日々向上を心がけ、最善の努力を尽くしていますが、ご希望の仕上がりに添えない場合があることをご了承ください。極端に神経質な方は、依頼をご遠慮いただくことをお勧めします。仕上がりにご満足いただけない場合でも、原則として再施工や施工代金の返金は行っておりません。
- 当社の施工に問題があったり、故障が発生した場合、または施工の納期によってお客様や第三者が損害を被った場合、当社はその損害について一切の責任を負いません。損害とは、直接的な被害以外にも、間接的な損害や逸失利益などが含まれますが、これらに限定されるものではありません。
粉体塗装(パウダーコート)に関する注意事項
- 粉体塗装(パウダーコート)の施工では、アース個所に跡が残ることがあります。粉体塗装は静電気の力を利用して塗料を対象部品に付着させるため、対象部品をアース(接地)する必要があります。当社では、対象部品を針金などで接続する方法を採用しています。アースは、できるだけ目立たない場所や隠れる個所で行われますが、パーツの形状によっては見える個所で接続せざるを得ない場合があります。
- 粉体塗装(パウダーコート)の性質上、パーツに巣穴やピンホールが存在する場合や鋳物パーツの場合、またパーツの腐食や汚れが激しい場合は、塗装焼付時に内部の空気や不純物が原因で塗膜が発泡し、仕上がりの外観に影響を与える可能性があります。また、複数の部品で構成されている製品(圧入などで接合されている部分)では、塗料が溜まることがあり、それが発泡や垂れの原因になることがあります。
- 粉体塗装(パウダーコート)の特性上、パーツの縁部分には塗料が多く付着しやすいため、部位によって膜厚の差が 生じることがあります。その結果、濃淡が、膜厚の違いによって色ムラとして現れる可能性があります。特にキャンデーカラーや透けやすいカラーの場合、パーツの形状によって色の濃淡による色ムラが生じることがあります。また、凹みや鋭利な角の先端など、物理的または特性的な理由により塗料が入り込みにくい箇所では、膜厚が薄くなり素材が露出することがあります。
- 粉体塗装(パウダーコート)は、ウレタン塗装などの溶剤塗膜と比較して膜厚が厚くなることがあります。そのため、パーツの型式や車体番号などの刻印が埋まったり薄くなったりする可能性があります。刻印を残すためには、膜厚を薄くすることも可能ですが、その場合には表面がざらつく可能性があります。
- 粉体塗装(パウダーコート)の膜厚は最大で200ミクロン程度に仕上がります。この厚さにより、摺動部分などのクリアランス(隙間)が膜厚分増えるため、作動や機能に影響を及ぼす可能性があります。
保管・メンテナンスに関する注意事項
- 施工したパーツの洗浄は、水洗いまたは中性洗剤を使用して行ってください。アルカリ性または酸性の洗剤での洗浄、および溶剤(パーツクリーナー、シンナー、ガソリン、灯油など)での洗浄は、色の変色や塗膜の剥がれの原因となる可能性がありますので、使用をお控えください。
- 施工したパーツの保管は、高温や多湿を避けるうにしてください。また、紫外線が当たらない場所に保管してください。使用中のパーツや洗浄後のパーツの保管時に生じた色褪せや劣化などについては、保証することができません。
- 粉体塗装(パウダーコート)は、塗料の性質上、部分的な補修塗装が困難です。飛び石や衝突などによって塗膜が破損した箇所がある場合、市販のタッチペンを使用して補修することが可能です。