アルミスイングアーム バフ研磨/セラコートクリア施工 (ID: 9896)
今回施工したのは、ワンオフで製作されたアルミ製スイングアームである。角パイプを主体にTIG溶接によって組み上げられ、各部には補強や削り出し部品が配置されるなど、量産品とは異なるレーシングパーツらしい機能的な造形が特徴となっている。
さらにスイングアーム前方には、オイルキャッチタンクとして機能するタンクスペースを一体化した構造を採用。限られた車体スペースを有効活用し、別体のキャッチタンクやステーを増やすことなく必要な機能を組み込む、ワンオフパーツならではの合理的な設計となっている。
バフ研磨は、回転する研磨ホイールと研磨剤を使用し、金属表面を段階的に磨き上げていく表面仕上げである。アルミの場合、細かな傷やくすみ、酸化した表面を整えながら複数の研磨工程を重ねることで、素材そのものから鏡のような高い光沢を引き出すことができる。
塗装やメッキのように別の皮膜によって金属を覆うのではなく、アルミそのものを磨き込むことで光沢を生み出すことがバフ研磨の大きな特徴である。クロームメッキのような硬質な輝きとは異なり、アルミポリッシュならではの柔らかさと深みを感じさせる金属光沢に仕上がる。
特に今回のようなワンオフスイングアームでは、角パイプの広い面だけでなく、TIG溶接による美しいビードや補強部、削り出し部品など、構造そのものがひとつのデザインとなっている。鏡面へ磨き上げることで光の反射による明暗が生まれ、溶接ビードや複雑な造形がより鮮明に浮かび上がる。機能を追求して作られたレーシングパーツならではの機械美を、バフ研磨によってさらに際立たせた。
一方、鏡面研磨されたアルミは非常に美しい反面、表面を保護する皮膜がない状態では、時間の経過とともに酸化やくすみ、白サビなどが発生しやすい。特に鏡面仕上げでは、わずかな酸化や汚れでも外観に影響しやすいため、美しい状態を維持するには表面保護が重要となる。
そこで最終仕上げには、セラコートクリアを施工。非常に薄いセラミックコーティングによってアルミ表面を保護することで、バフ研磨によって引き出した鏡面の質感を極力損なうことなく、酸化や腐食、くすみの発生を抑制する。また、耐薬品性や耐汚染性の向上によって汚れの付着や日常的なメンテナンスにも配慮した仕上げとなる。
ワンオフ製作ならではの合理的な構造と、TIG溶接によって組み上げられた機械的な造形。その素材そのものを丹念に磨き込み、セラコートクリアによる保護を組み合わせることで、アルミ本来の美しい輝きとレーシングパーツならではの機能美を際立たせたスイングアームへと仕上がった。

BEFORE - AFTER
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