ゲイルスピードホイールのポリッシュ仕上げは、現在の正式ラインナップには含まれていない。かつては通常仕様として販売されていた時期もあるが、近年はカラーアルマイトや塗装仕上げが主流となり、ポリッシュは標準から外れた位置づけとなっている。そのため、既存モデルをポリッシュ仕様へ仕上げたい場合は、別途加工が必要になる。

加工にあたっては、既存塗膜を薬品剥離で丁寧に除去することが必須であり、サンドブラストでの剥離は避けなければならない。サンドブラストは見た目以上に深い粗さが表面に残るため、ポリッシュ前提のバレル研磨では平滑に整えきれない。結果として、過度な重研磨が必要となり、取り返しのつかないダメージにつながる可能性がある。

ホイールは複雑な立体形状を持つため、研磨工法の選択も重要になる。バフ研磨は回転バフに研磨剤を当てて鏡面に仕上げる工法で、美しい光沢が得られる反面、スポーク奥や深い谷部など細部に工具が届かない。磨き残しが避けられず、ホイール全体を均一な鏡面に仕上げるのは難しい。

一方、バレル研磨はメディア（研磨石）とホイールを樽に入れ、回転・振動・遠心力によって全体を均一に研磨する工法である。手作業では届かない細部にも均一に当たりが入る点が大きな利点で、鏡面度はバフにやや劣るものの、複雑形状のホイールとは非常に相性が良い。全体が整った上質な金属光沢に仕上がる。

ポリッシュ後のアルミ表面は美しい一方、裸の金属に近い状態となるため、腐食や白錆、くすみが発生しやすい。長期維持のためには、最終工程でクリアコートによる保護が欠かせない。当工場ではセラコートクリアを推奨している。セラコートクリアは膜厚が極めて薄く、鏡面ポリッシュの光沢を損なうことなく保護できるうえ、耐腐食性・耐薬品性にも優れ、アルミ特有の白錆の発生を大幅に抑える。

ゲイルスピードを含むアルミホイールのポリッシュ化では、剥離から研磨、最終保護に至るまで、一貫した理解と適切な工程管理が不可欠となる。各工程を正しく進めることで、美観と機能性を長期的に維持する高品質なポリッシュホイールに仕上げることが可能だ。

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