焼付塗装は、塗装後に高温（120～200℃）で加熱し、塗膜を硬化させることで、圧倒的な耐摩耗性と耐久性を実現する。この塗装は、衝撃や傷に強く、長期間にわたって美観と機能性を保つことができる。

フロントフォークは車両の最前線で飛び石や汚れにさらされ、さらにメンテナンス時には溶剤に触れる機会も多い。そのため、塗装には高い密着性と耐溶剤性が不可欠だ。

焼付塗装を施すには、フロントフォークを完全に分解する必要がある。シールやゴム部品は高温に耐えられず、変形や溶解を招く恐れがあるため取り外さなければならない。また、内部に残留したフロントフォークオイルは、塗装の密着性を損ない、外観にも悪影響を与える可能性があるため、徹底的な洗浄が求められる。

さらに、摺動部を持つフロントフォークでは、サンドブラスト処理後に残留するメディア（アルミナ）の扱いにも細心の注意を払う必要がある。アルミナは非常に硬く、もし内部に残留すればオイルに混ざり、インナーチューブのクロームメッキ表面を傷つけ、異常摩耗を引き起こす可能性があるため慎重な作業と徹底的な洗浄が必要だ。

BEFORE - AFTER

• BEFORE

  

• AFTER