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施工事例

APレーシング ロッキードキャリパー CP2696 セラコート施工(焼付塗装)H-112 Cobalt

APレーシングH-112 Cobaltセラコートブレーキ回りキャリパー

APレーシング(AP Racing)は、モータースポーツ用の高性能ブレーキやクラッチシステムを手がけるイギリスのメーカーで、前身は「HAロッキード」として知られていた。その後APレーシングとしてブランドを確立し、現在はイタリアのブレンボ(Brembo)傘下にありながらも、独自の技術開発と製造を継続しており、世界のレースシーンで高い信頼を得ている。

同社の代表的なキャリパーであるCP2696は、キャストボディならではの素朴で力強い造形が特徴で、現代的なハイデザインとは異なる、機能美に徹した姿が旧車の雰囲気とよく調和する。派手さを抑えた控えめなスタイルがクラシックカーの佇まいを損なわず、むしろ車両そのものの美しさを引き立てる存在となっている。

このCP2696に表面処理としてセラコートを選ぶ理由は、まず膜厚が非常に薄く、鋳物特有の質感を損なわない点にある。セラコートはごく薄い膜厚で施工できるため、キャリパー表面の微細な凹凸や肌合いをそのまま活かした仕上がりが可能となり、素材のもつ雰囲気を自然なかたちで高めることができる。これに対してパウダーコートは膜厚が比較的厚く、鋳物の肌が覆われやすいため、素材感を保ちたい場合には適さない場合がある。

さらにセラコートは耐溶剤性に優れており、パーツクリーナーやブレーキフルードといった化学物質にも高い耐性を示す。メンテナンス時の清掃や実走行での過酷な条件においても塗膜が劣化しにくく、長期間にわたって安定した外観と性能を維持できる点は、ブレーキキャリパーのような機能部品にとって大きな利点となる。

鋳物キャリパーが本来もつ質感をそのまま生かしながら、耐久性と外観を高めたい場合、セラコートはきわめて理想的な選択と言える。CP2696のようなクラシカルなデザインの魅力を損なうことなく、自分の好みのカラーへ仕上げることが可能だ。

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