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施工事例

ホンダ|HONDA NSR250R キャリパー セラコート施工(焼付塗装)

メタリックホンダゴールドNSR250RFX GOLDセラコートブレーキ回りキャリパー

NSR250Rに採用されているフロントキャリパーは、NISSIN(ニッシン)製の対向4ポットキャリパーであり、当時としては非常に高性能な仕様が標準装備されている。制動力そのものの強さよりも、レバー入力に対する反応の分かりやすさや高いコントロール性、初期制動の扱いやすさを重視した設計思想が特徴で、NSR250Rの軽快なハンドリングと高い一体感を支える重要な要素となっている。

一方で、経年や前回のオーバーホール時期によっては、シールの硬化やピストンシール溝周辺で腐食が進行している場合がある。こうした状態ではピストンの戻りが悪くなり、引きずりなどのトラブルにつながるリスクが高まるため、安全性や操作性を維持するうえで定期的なオーバーホールは欠かせない。また、経年によって純正アルマイトは退色しやすく、機能部のリフレッシュと同時に外観の再生を行うこともおすすめである。ピストンやシール交換を伴うオーバーホールとあわせて本体外観の再仕上げを行うことで、機能面と美観の両立を図り、新品に近い状態へとリフレッシュすることが可能となる。

ただし、再アルマイト処理には注意が必要である。アルマイトはアルミ母材の表面を削る処理ではなく、酸化皮膜を成長させる処理であるため、わずかながら寸法が変化する。また、下地となる金属組織や合金成分の影響を受けやすく、新品状態であれば問題になりにくい色ムラや濃淡が、中古部品では顕著に現れ、美しく仕上がらないケースも多い。さらに、精密部位にまで皮膜が回り込んでしまうと機能に影響を及ぼすため、再アルマイトには構造と寸法変化を十分に理解した専門知識と管理能力が不可欠となる。

こうした背景から、実用性と信頼性を重視する場合には、セラコートなどの薄膜塗装による再仕上げも有効な選択肢となる。セラコートは内部ボアやシール溝を確実にマスキングすることが可能で、寸法への影響を管理しやすく、機能部へのリスクを最小限に抑えられる。また、耐薬品性・耐塩害性・耐溶剤性に優れ、メンテナンスにおける色落ちや劣化を防ぎ、長期間にわたって色と質感を保つことができる。アルマイトのように素材や下地状態に大きく左右されにくく、安定した発色と均一な仕上がりを実現できる点も大きな魅力である。

今回の施工では、Cerakote FXシリーズを採用した。FXシリーズは単なる単色塗装ではなく、ベースカラーの上にFX添加剤を組み合わせたクリアコートを重ねる多層構造の特殊仕様である。光の当たり方や視点角度によって表情が変化する独自の発色を備え、アルマイトゴールドを思わせる金属感と、奥行きのある深い輝きを再現可能だ。
ロゴ部にはブルーとレッドを配色し、ニッシンのロゴカラーを再現。素材感を活かしつつ、当時の雰囲気と現代的な質感を両立させた仕上がりとなった。

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