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施工事例

光沢ウェットブラスト仕上げ

ホンダエイプウェットブラストヘッドカバー

ウェットブラスト(Wet Blast)は、水と研磨材(メディア)を混合して吹き付ける表面処理方法である。ドライブラスト(サンドブラスト)と比較すると、表面がしっとりと滑らかに仕上がるのが特徴で、金属を「削る」というよりも「磨く」に近い処理である。加工後の表面は非常に滑らかで微細な光沢を帯び、金属本来の質感と深みのある光沢を引き出すことができる。

当工場で施工する標準ウェットブラストには、ガラスビーズ200番程度のメディアを使用している。この仕上げは、しっとりとしたマットな光沢感が特徴であるが、新車時のクランクケースなどの表面と比較すると、ややマット感が強く白っぽくなる傾向がある。そのため、レストアにおける「新車再生」の観点からはわずかに異なる印象であり、より自然で美しい光沢感を再現することが今後の課題であった。

そこで、様々な試行錯誤を重ね、通常仕上げをさらに一段上のレベルへ引き上げた、より高密度で艶のある表面を再現する独自の「光沢ウェットブラスト」を開発した。この技術では、粒度の細かい特別ブレンドのガラスビーズを使用し、独自に改良した専用装置を用いて、大量の水流と高圧空気を組み合わせながら長時間処理を行う。その結果、一般的なウェットブラスト装置では到達できない高い表面密度と、しっとりとした上品な艶を実現。他に類を見ない上質な質感と、新車に近い光沢を再現できることが最大の特長である。

光沢ウェットブラストによる仕上がりは、見た目の美しさだけでなく、表面の滑らかさ・密度・硬度が飛躍的に向上する。この高密度な表面は毛細管現象によるアルミ腐食を大幅に抑制し、微細な隙間への水分・汚染物質の吸い込みを防ぐことで、長期間にわたる防錆性能の維持を可能にする。処理時間とコストは通常のウェットブラストに比べて増加するが、「完璧な一台を創り出す」ことを目的としたレストアにおいて、その価値は極めて高い。

ただし、仕上がりはもともとの下地状態に大きく依存する。深い腐食やピットが存在する場合、完全な平滑面に仕上げることは難しい。また、すでにサンドブラストなどで表面が粗く荒れた状態になっている場合、その修復は困難であり、取り返しのつかない状態となることもある。レストアにおける表面再生では、むやみに強い処理を施すのではなく、素材の状態に応じた最適な方法を選択することが大切だ。

沿岸部や寒冷地など、腐食が進行しやすい環境での使用が想定される場合には、**セラコートクリア(MC-5100)**の施工が有効だ。セラコートクリアは高い耐久性・耐薬品性・耐腐食性を備え、アルミ表面を長期にわたって保護することができる。また、薄膜で施工できるため、光沢ウェットブラストによって得られた質感を損なうことなく、美しい外観を長期間維持することが可能だ。

光沢ウェットブラストは、従来のレストア仕上げを超える高密度で上質な表面を実現し、完成度の高い一台を創り出すための最適な手法である。美観と機能の両立を追求するユーザーにとって、まさに理想的な仕上げといえる。

左側 / 通常ウェットブラスト    右側 / 光沢ウェットブラスト   

BEFORE - AFTER

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